2022年7月23日、全道主要書店で発売
[きのとや]の挑戦
長沼昭夫の菓子づくり人生
長沼昭夫/著
本体1,600円+税
四六判上製
240ページ
ISBN 978-4-906740-52-9 C0095
ケーキづくりは、しあわせづくり。
1983(昭和58)年、札幌で創業した洋菓子メーカー「きのとや」。その創業者である著者が、挑戦と冒険の連続だった自社と自らの歩みを回顧。牧場経営の夢破れてサラリーマンになった20代。きのとやを創業した30代。売上高日本一から食中毒事故でどん底に落ちた40代。ケーキの店から観光みやげ市場に参入した50代。息子とともに海外進出に挑戦した60代。そして今、若き日に夢見た牧場経営に、再び乗り出した70代—。社員の幸せとお客様の感動を菓子づくりに託した、きのとや創業者のフロンティアスピリットは、逆境にあってもあきらめない心と会社経営の肝要を伝えます。
目次
はじめに
【第1章 大家族】フロンティアスピリット/6人兄弟の末っ子/郷愁のフィンランディア/最後の家族写真
【第2章 理想郷】伝統の北大山スキー部/ヒグマと遭遇した夏/新冠ユートピア牧場/母との別れ
【第3章 就職】憧れの牧場生活/アメリカ一人旅/オイルショックの荒波/ゼロからの出発/妻との出会い
【第4章 起業】洋菓子きのとやを創業/売れないケーキ/苦しまぎれが大当たり/クリスマスケーキで大失敗
【第5章 急成長】五つの目標「日本一」(①1店舗当たり売上高、②おいしいケーキ、③お客様の満足、④1店舗当たり粗利益高、⑤従業員の賃金)/繁盛し過ぎて2店舗目
【第6章 暗転】食中毒事故で営業停止/社長一人で謝罪行脚/再開した店に行列
【第7章 社長業】すべては社長の責任/20年続けたトイレ掃除/全社員に経営計画書/大阪の兄貴分
【第8章 職人魂】素人が味を決める/職人気質の加藤シェフ/世界のトップパティシエたち
【第9章 社員の幸せ】お客様第一主義/会社は誰のために/胸に残る手紙
【第10章 変革】阿部眞市の死/札幌農学校の大ヒット/札幌をスイーツ王国に/焼きたてチーズタルトの成功
【第11章 後継】社長退任/会社組織の再編成/新ブランド戦略/真太郎の采配
【終章 夢を再び】挑戦と冒険の人生/札幌に牧場を/成長続けるKグループ
おわりに
「はじめに」より
私が「きのとや」を創業したのは35歳のときだった。それまで、大学の先輩が経営する牧場で働いたり、居酒屋の店長をやったり、サラリーマンをしたりしながら、行き先の定まらない人生を送っていた。そんな私がどうして洋菓子店を始めることになったのか、きのとやグループを築くまでにどのような道のりを歩んできたのか——。2022年(令和4)、かねてより人生の一つの区切りと考えていた75歳を迎えるにあたり、これまでの自分の人生を振り返り、きのとやの歴史を記録に残そうと思い立ち、本書を書くことにした。
著者プロフィール
長沼昭夫(ながぬま・あきお)
1947年(昭和22)札幌生まれ。北海道大学水産学部を卒業後、北海道新冠町で養鶏や酪農などの畜産業に従事。その後、サラリーマン生活を経て、1983年株式会社丸証の一事業部として「きのとや」創業。1985年株式会社きのとや設立、代表取締役社長就任。札幌洋菓子協会会長、スイーツ王国さっぽろ推進協議会会長、北海道洋菓子協会会長、全国菓子工業組合連合会副理事長などを歴任。Kグループを率い、株式会社きのとや代表取締役会長、Kコンフェクト株式会社代表取締役会長、株式会社ユートピアアグリカルチャー代表取締役会長、株式会社COC代表取締役会長を務める。2021年(令和3)より在札幌ニュージーランド名誉領事。