2024年7月27日、全道主要書店で発売!

 

改訂版 さっぽろ喫茶店グラフィティー

和田由美/著

定価1,650円(本体1,500円+税10%)
四六判並製
152ページ
ISBN 978-4-906740-66-6 C0095

珈琲の香り、街の記憶―。18年ぶりの改訂版が登場!

  • 札幌初のタウン情報誌『月刊ステージガイド札幌』の編集長を務めた筆者が、自らの記憶とともに喫茶店の小さな物語を綴りました。懐かしのジャズ喫茶や学生街の喫茶店など、あの店この店のマスターや常連客に当時のエピソードや店への想いを取材し、往時の写真も添えてあの時代を蘇らせます。
  • さらに、健在の老舗や新世代のカフェ、自家焙煎にこだわる珈琲専門店など、今も訪れることのできる店も多数掲載。巻末には、著者と同世代の直木賞作家・藤堂志津子さんとの対談や、「ELEVEN」「北地蔵」など数々の名店の店舗設計を手掛けた今映人さんへのインタビューも収録。
  • 愛すべき札幌の喫茶店への思いを、数々のエピソードと共につづる「さっぽろ“青春”グラフィティー」が、18年ぶりに改訂版として再登場!

目次

【口絵:喫茶店スクラップ帖】(カラー8頁)
懐かしい写真と最新の取り下ろし写真で喫茶店の魅力を紹介

【Ⅰ.学生街の喫茶店】
ミルク/タマキ/ドルフィン/ふれっぷ舘/Keef

ミルク


*ちょっと一服① 熱気に溢れていた、あの頃の学生街

【Ⅱ.時代をリードした音楽喫茶】
JAMAICA/B♭/act:/BOSSA/AGIT/神経質な鶏/バナナボート/ウイーン

*ちょっと一服② 細く長く愛された、クラシック喫茶

【Ⅲ.異人たち―出会いの場】
ELEVEN/北地蔵/のあ/どッコ/佛蘭西市場/唯我独尊/アイス・ドアー

ELEVEN


*ちょっと一服③ 全国に先駆けた、タウン情報誌事始

【Ⅳ.カフェへの変貌―フード編】
さえら/ZAZI/TOMATO MOON/櫻月(サクラムーン)/カフェ・エッシャー

TOMATO MOON


*ちょっと一服④ 我が愛しのナポリタン

【Ⅴ.カフェへの変貌―インテリア編】
ロマンツアー/VIDERO/倫敦館/CATCH・BOX/テルサラサート/円山茶寮/ホールステアーズカフェ/森彦

ホールステアーズカフェ


*ちょっと一服⑤ 紹介できず心残りな喫茶店エトセトラ

【Ⅵ.古き良き時代の喫茶店】
千秋庵喫茶部/西林/コージーコーナー/桃山/ブルーシャトー

*ちょっと一服⑥ 喫茶店史遺した、真の風俗史家

【Ⅶ.ビジネス街の喫茶店】
ポールスター/うら/ベルン/シャノアール/つむぎ/るふらん/ロックフォールカフェ

*ちょっと一服⑦ 札幌初のコーヒーは、明治期開店の有合亭

【Ⅷ.自家焙煎のパイオニアたち】
可否茶館大通店/可否茶館倶楽部/蔵人/和田珈琲店/カフェ・ランバン/斎藤珈琲/麻生茶房/菊地珈琲本店/円山坂下宮越屋珈琲本店/カフェ・ド・ノール/basic

可否茶館倶楽部


*ちょっと一服⑧ 自家焙煎の先達とその継承者たち

【Ⅸ.アフター・アワーズ】

*インタビュー [今映人]―独自のスタイル生み出す、喫茶店設計の達人
*対談 [藤堂志津子×和田由美]―私たち“喫茶店世代”

「あとがき」より

本書は、朝日新聞北海道版の夕刊紙面で、2003年9月2日から2005年5月25日にわたって連載された原稿に、加筆・訂正を加えたもので、単行本化にあたって新たにコラムを書き下ろし、インタビューと対談を付け加えている。
私はこれまでにも、亀の子タワシやミルキーなど時代の記憶を辿る〝モノ語り〟や、四季折々の食材にまつわる想い出を綴ったエッセイなど、様々な新聞連載を手掛けてきた。ある時、新しい連載の企画を考えることになり、今度は何か違ったジャンルに挑戦してみたいと思っていたところ、私より若い世代の人たちが、札幌の古い喫茶店について知りたいという。1970年以前のことであれば、故・和田義雄さんの著書『札幌喫茶界昭和史』に詳しいのだが、それ以降をまとめたものは皆無だったので、私に書いて欲しいというのだ。最初は唐突な話だと思った。けれど、かつてタウン情報誌『ステージガイド札幌』の編集長をしていた上に、70~80年代に渡って『札幌青春街図』というタウンガイドを4回発行したこともあり、普通の人よりはこの街の喫茶店に詳しいことに気づいた。
〝喫茶店史〟は無理だとしても、グラフィティー(落書き)というスタイルならば、70年代以降の空白の時代を多少は埋めることが出来るかもしれない。そう思うに至ったのである。(以下略)

著者プロフィール

和田由美(わだ・ゆみ)
エッセイスト、亜璃西社代表。1949年(昭和24年)小樽生まれ。札幌南高校、藤女子短期大学英文科卒。札幌初のタウン情報誌「ステージガイド札幌」編集長を経て、1988年出版と編集の亜璃西社を設立、エッセイストとしても活躍中。著書に『ほっかいどう究極の食材めぐり』(JTBパブリッシング)、『さっぽろ酒場グラフィティー』『ほっかいどう映画館グラフィティー』『和田由美の札幌この味が好き!』(以上、亜璃西社)など。編者として『さっぽろ燐寸ラベルグラフィティー』、監修者として『ほっかいどう地酒ラベルグラフィティー』がある(以上、亜璃西社)。