2019年10月12日、全道書店発売!
遥かなる希望の島
「試される大地」へのラブレター
磯田憲一/著
田川博規/挿画
本体1,600円+税
四六判上製
184ページ
ISBN 978-4-906740-40-6 C0095
北海道の未来を生きる人たちに伝えたい言葉がある
「はしがき」より
北海道は、東京の視点だけで見ると遠く離れた辺境だが、そこに暮らすと思い定めて目を凝らして見ると、この島の遥か向こうには希望が見える。(中略) この大地に育てられた一市民の目線で、まだ十分には知られていない、あるいは見落されている、「ひと・まち・文化」をめぐる北海道の〝希望〟を訪ねる旅に出てみようと思う。
目次
はしがき──帰郷して気づいた、この島の希望
Ⅰ 木もれ日のなかで
1 心に刻まれた道
ニシン漬/心に刻まれた道/木のトラック
私の精神安定剤/〝わずらわしさ〟という幸せ
2 時を磨く
時を磨くビルヂング/時間を味方に
都市の力量/不動の道しるべ
Ⅱ この島の希望
1 地域の誇りを未来へ
「ただいま」「おかえりなさい」が響き合う彫刻空間
かけがえのない空間/演劇創造のまち/訪れた人を
〝不機嫌〟にするまち/語り伝えたい、大雪が秘める魅力
野外劇という歴史絵巻/今さら聞けない「パシフィック」
2 旅人のまなざし
旅の楽しみとは/見事な人生/二百八十円の贅沢
旅人のまなざし/韓国・光州の挑戦 一/韓国・光州の挑戦 二
3 自らの道を探して
赤れんがが伝える未来への智恵/周回遅れのトップランナー
「もの」の価値を高める「ものがたり」/文化のパワーを信じて
スコットランド分権改革に学ぶ/それぞれの道
Ⅲ 次代へつなぐ
1 君の椅子と地域の力
君の椅子がつくりだす〝まちの風景〟/3・11に生まれた君へ
地域再生への祈り――福島県葛尾村の決意
2 旭川家具と不屈の家具職人
孤立を恐れず、風上に立つ――不屈の家具職人・長原實さんのこと
文化の都・長安と旭川家具
Ⅳ この土地に生きる矜持
1 一歩前に出る勇気
北海道遺産が持つ独自の視点/北海道文化振興条例が掲げた松明
既存の枠組みを突き破る〝言葉の力〟/一歩前に出る勇気
色あせない「試される大地」の時代性/北海道がもらった贈物
北海道スタンダードが拓く北の希望
独自の発想で日本のリードオフマンに
農業に春(HAL)を呼ぶ/生きることは、伝えていくこと
2 行政マンの気概
悲しみに心揺れるとき、人は北に針路をとる
映画「柳川掘割物語」に学ぶ地域再生/第三の故郷として選ばれるまちに
光に願い託した点灯虫作戦/行政マンの気概/楽譜が読めないこと!
「ない」ことを力に変える/自治体経営陣へのラブレター
風に向かって立つ
あとがきに代えて――包み込み、勇気をくれた「君」へ
著者プロフィール
磯田憲一(いそだ・けんいち)
1945年(昭和20)旭川生まれ。北海道富良野高等学校を経て、1967年明治大学法学部卒。同年「北海道」入庁。政策室長、上川支庁長、総合企画部長を歴任し、2001年北海道副知事に就任。2003年に退任後、北海道農業企業化研究所(HAL財団)理事長、旭川大学客員教授、公益財団法人北海道文化財団理事長、認定NPO法人アルテピアッツァびばい理事長、「君の椅子」プロジェクト代表、東川町・北工学園理事長などを務める。2014年第6回日本マーケティング大賞地域賞受賞。2015年「春の叙勲」で瑞宝中綬章受章。同年、サントリー地域文化賞受賞。