君に会えて、よかった。

 

たいせつな家族 犬と猫を看取る

伊藤哲也/著

本体1,400円+税
四六判ソフトカバー
180ページ
ISBN 978-4-900541-87-0 C0077

愛する犬や猫との別れを経験した、5人の飼い主の物語

  • たいせつな家族である、犬や猫を喪った5人の飼い主たち。その感動的な物語を中心に、動物たちと人間の間に心の絆が生まれる理由をひもといていきます。
  • 同時に、老いた犬や猫の介護や看取り、火葬など別れのノウハウ、さらにペットロスとは何か、安楽死など、ペット高齢化時代のいまこそ必要な知識や情報を、一冊にまとめました。
  • 巻末には、全道の夜間診療に対応する動物病院や、葬祭業者などのデータベースも収録しています。

まえがきより

 人生の伴侶として生きてきた動物の死を、飼い主の人間はどう受け止め、あるいは乗り越えて行くことができるのだろうか。
 ともに生きてきた時間と、喪った後の時間。そうした体験をした人たちのそれぞれの物語に耳を傾け、動物たちの生と死が示唆するものを確かめてみたい。
 そこには、この乾いた生気のない時代に、「深く生きる」ことを取り戻す智恵が、なにほどか隠されているように思われる。
(「はじめに」より)

目次

◇第1章……きみと別れて
・たいせつな家族である犬や猫の死を、飼い主はどのように乗り越えればよいのだろうか。愛する犬や猫を喪った5人の体験談から、別れの真実を学ぶ。

 16年間、ありがとう ―― くり(犬・オス・16歳)
 まるごと愛おしい存在 ―― チビ(猫・オス・10歳)
 人生のパートナーに寄りそって ――ルル(犬・オス・17歳)
 君に会えてよかった ―― チビ(猫・メス・16歳)
 家族のひとりを突然失って ―― チョコ(犬・オス・9歳)

◇第2章……のこされたもの
・人間と犬や猫が、親密な関係を築きあげることのできる理由を探りながら、ケアや介護の重要性や看取りへの心がまえ、さらには安楽死、ペットロスまでを考える。

1 人間と動物の絆
  一万五千年前から家畜化されてきた犬/わかりあうということ
  選び、選ばれる関係/不変の愛/親密さが生む安らぎ
  犬や猫に反映される、人間の問題/動物たちの聖・俗・魔

2 看取るということ
  健康に老いさせる/試される、飼い主の心構え
  死を直視する/治療とターミナルケア/安楽死と向きあう

3 喪の仕事
  二人称の死/喪の仕事/のこされたもの/新しい命

◇補 章……犬や猫との別れ方
・犬や猫を手放さなければならない時、そして永久の別れが訪れた時、飼い主はいったいどのように対処すればよいのだろうか。

1 もし、犬や猫を飼えなくなったら
  自治体などに相談する/動物病院などに相談する

2 火葬などの実務について
  荼毘に付す/民間の葬祭業者による火葬/道内自治体による火葬
  埋葬について/葬祭業者の選び方

【付 録】本書関連道内データベース
札幌市内と近郊の動物病院/時間外診療をおこなう道内動物病院/道内の小動物葬祭業者

著者プロフィール

伊藤哲也(いとう・てつや)
 1962年、東京都出身。京都大学文学部を卒業後、現在までおもに札幌で、雑誌や新聞などを中心に硬軟の記事を書きつつ、園芸雑誌の編集長を務めた経験も持つ。現在、JR北海道車内誌 「THE JR Hokkaido」 で、「湯煙に誘われて」 を連載中。