2024年7月14日書店発売!
叙事詩 ホモ・サピエンスからの伝言
北の縄文と知の原風景
北尾克三郎/著
定価2,200円(本体2,000円+税10%)
四六判上製
156ページ
ISBN 978-4-906740-63-5 C0092
時空を超えて語りかける、縄文“知の原風景”
〈宇宙〉や〈自然〉の営みという生身の“知”から、真の生きる悦びと祈りを得ていた北の縄文ビト。その生活ぶりから心の在り方までをイマジネーション豊かに描きながら、人工知能=AIが生成する知識によって生きる現代人の根底に流れる“知の原風景”を、時空を超えて語り掛ける。縄文文明の成り立ち、自然環境、そこに住むヒトビト(ホモ・サピエンスたち)のルーツ、暮らしと知の根源、そして現代文明の行く末などを、平易な言葉を使い詩のかたちでつづりながら縄文人の視点で問い直す。
目次
◇プロローグ
最終氷河期からの出発/日本列島という名の方舟─ヤマサチヒコとウミサチヒコ/定住する狩猟採集民──風土と住み分け/米や麦喰うヒトの渡来──ヒトの神/エミシの末裔アイヌ民族──神とヒト
◇Ⅰ 北海道に住みついた縄文人
環境──土・森・火山・海・気候・生活と資源/暮らし/女たち/男たち/子供の遊び、そうして老人/知の根源/知と想念/言葉と道具/道具の進化/知の根源:宇宙(太陽-月-星-空間)・自然(物質-生物-四季の景色と生物の生態-知の奥行)/知と暮らし─その結実
◇Ⅱ 魂のかたち
ストーンサークル(森町鷲ノ木遺跡)/足形付土版カード(函館市垣ノ島遺跡)/朱色の櫛(恵庭市カリンバ遺跡)/線刻模様の食器/土偶/住居
◇Ⅲ 縄文の都市──青森三内丸山
原初の都市風景/公の精神と地の神/盛土の中の博物館と祭り/交流の宴/エピローグ──あとがきにかえて
「あとがき」より
さて、今回の著作では、最終氷河期が終わり温暖化に向かう今から一万五千年前に日本列島の北端に開花し、一万年も続いた縄文文明の成り立ち、自然環境、そこに住むヒトビト(ホモ・サピエンスたち)のルーツ、暮らしと知の根源、文明の行く末などを綴った。
この文明は北海道南西部の太平洋噴火湾側、それに津軽海峡を挟んで本州の北きた東とう北ほくに拡がり、特に青森湾に面する三内丸山遺跡は縄文の都と呼ばれる規模を持つ。
それらの集落の跡とその周辺に見られるヒトの精神的行状を示す痕跡や、暮らしを彩る様々な生活道具の数々が、時空を超えて〝知の原風景〟を今日に伝えてくれる。
その原風景の中にヒトが〝知の根源〟によって生き、万物が〝魂たましい〟によって結び付いている、存在のほんとうのすがたが見える。
──宇宙が万物にもたらす調和と秩序の善意
──自然が万物にもたらす多様性と豊穣の善意
それら科学の根本にある〝善意〟の感得と万物の〝魂〟によるコミュニケーションが、人工知能が生成する知識によって生きる現代人へのホモ・サピエンスからの伝言である。
──ヒトの知能が原初、言葉と道具を作った。
道具はやがて、人工の知能(AI)を生み、ヒトはAIと対話し、想念すらも映像によって作り出し、それらの情報が知を代行することになった。しかし、そこに万物(宇宙・自然)の〝善意〟とその〝魂〟に触れる生身の知はない。実在する知によってのみヒトは万物と共生し、ほんとうの生きる悦びと祈りを得る。それが知の本来の役目であることを、縄文期のヒトビトが今日に伝える。
(「エピローグ──あとがきにかえて」より)
著者プロフィール
北尾克三郎(きたお・かつさぶろう)
昭和18(1943)年、京都生まれ。浪速短期大学(現・大阪芸術大学短期大学部)デザイン美術科、大阪文学学校詩コースに学ぶ。設計や環境デザイン、まちづくり、教育現場に従事しながら、仏教哲学研究をライフワークとする。一般社団法人日本空間デザイン協会名誉会員。著書に『まちづくり手帳──明日の生活技術と都市デザイン』(マルモ出版、2005)、『縄文のエコロジー思想──先史・日本列島にいたヒトたちの生活誌』(プロスパー企画、2006)、『空海の言葉──無限の知性と慈しみ』(プロスパー企画、2007)ほか多数。