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響け「時計台の鐘」

前川公美夫/著

本体2,000円+税
四六判並製
248ページ(付録:音楽CD1枚)
ISBN 978-4-900541-41-2 C0073

-名曲「時計台の鐘」はいかにして生まれたか-

 ♪時計台の鐘が鳴る……。名曲「時計台の鐘」の知られざる誕生物語を、丹念な取材で徹底的に解き明かす異色のノンフィクション。オリジナルSP盤より復刻の「時計台の鐘」とその関連全7曲を収録したCDをセット!

内容

 ♪時計台の鐘が鳴る…のフレーズで親しまれてきた、北海道を代表する名曲「時計台の鐘」。その知られざる誕生秘話を丹念な取材で解き明かす、異色ノンフィクション。  物語の主人公は、名曲「時計台の鐘」の作詞・作曲者でバイオリニストの高階哲夫と、大正11(1922)年に高階と結婚した札幌出身のアルト歌手・相沢ます子(村井満寿)。大正末期の札幌を舞台に、誕生までのいきさつを新事実を含めて明らかにしていくノンフィクションでありながら、内容的には学術的価値も高い研究書としての側面を持つ。さらに、オリジナルSPより復刻した「時計台の鐘」とその関連全7曲を収録したCDをセット。

一言

 『北海道音楽史』などの労作を持つ著者が、綿密な調査と取材で解き明かすノンフィクション。テスト盤SPレコードに残された刻印の再調査などから、新事実も明らかに。また付録のCDには、レコード会社に保管されていたマスター盤からの音源も使用し、最高の技術で再生されたSP盤の音を収録しています。

参照

 著者より…「時計台の鐘」が生まれるまでのいきさつは、その経過を見守ってきた杉山正次や村井満寿が幾度も語り、また書き残してきた。本書も流れとしては従来語られてきたものと極端な変わりはない。しかし今回、曲の誕生にかかわる年代がずれていたことをほぼ明らかにできたことから、その物語をあらためてつづることにした。

目次

はじめに
口絵「時計台の鐘」

【第一部】名曲誕生の物語
  第一章 札幌での演奏会
  第二章 厳しい新聞評
  第三章 作曲、初演、出版
  第四章 レコードの発売

【第二部】なぞを解く
  第一章 証言の食い違い
  第二章 評者はだれ? 種羊場に行ったのはいつ?
  第三章 四つの楽譜
  第四章 レコードの制作年

【第三部】こぼれ話

  ◎「時計台の鐘」 資料

  関連事項年表
  高階哲夫・相沢(高階)ます子による道内演奏会

参考文献

あとがき

主要人名索引

著者プロフィール

前川公美夫(まえかわ・くみお)
 1948年登別市生まれ、室蘭市育ち。1971年北海道大学工学部建築工学科卒業。北海道新聞社で文化部長、編集委員、道新ぶんぶんクラブ事務局長、出版委員などを務めて退職。2010年から(財)札幌市生涯学習振興財団理事長。著書に『有島武郎の札幌の家』(星座の会)、『北海道洋楽の歩み』(北海道新聞社)、『北海道音楽史』(大空社、亜璃西社)、『響け「時計台の鐘」』(亜璃西社)、『頗る非常! 怪人活弁士・駒田好洋の巡業奇聞』(新潮社)がある。
*上記の内容は本書刊行時のものです