読めば、きっと、食べたくなる!ローカル菓子の逸話を満載

 

ほっかいどうお菓子グラフィティー
-confectionery graffiti in Hokkaido-

塚田敏信/著

本体1,400円+税
四六判ソフトカバー(図版多数収録)
240ページ(うち、カラー口絵16ページ)
ISBN 978-4-900541-95-5 C0095

  • 明治から昭和にかけて北海道で生まれ、この地で愛されてきたお菓子たち。そのローカル色溢れる素顔と味わいの魅力を、「お菓子博士」 の著者が年代順に紹介します。
  • 全道各地から著者が独断で選んだ約60品について、誕生の経緯から味の魅力、作り手の人柄までを徹底解説。図版を多数使いながら誕生の背景までを明かす、一家に一冊の“読むお菓子”が誕生しました。
  • そのほか、北海道独自のお菓子「きびだんご」や「ぱんじゅう」などのコラムも満載。隠し味は、お菓子がモノ語る“北海道開拓&発展の歴史”です。

誌面紹介

▼華やかなお菓子のパッケージをカラー16ページで一挙紹介



▼全58点を各3~4ページを使い丁寧に紹介。図版も多数掲載しています
< 明治のお菓子 >


< 大正のお菓子 >


< 昭和のお菓子 >


▼コラムページでは、「きびだんご」や「ぱんじゅう」、羊羹、最中などを紹介


あとがきより

(前略)
 北海道には歴史がない、と口にする人がいます。でも、北海道のお菓子の現場を実際に訪ね歩くことで、その幅の広さと歴史の厚みをあらためて実感しました。それは、一つのお菓子の歩みでさえ、すでに伝承の域に入っていたりすることからもわかります。それらをトータルしたお菓子文化の愉しみを、その深い奥行きのまま記録したいと思い、本書を執筆しました。
 北海道はお菓子と人の果てしない物語の宝庫です。今回は、明治から昭和にかけて誕生し、今なお強い存在感を示し続けるお菓子の中から、早い時期に出合った思い出深いものを中心にセレクトしました。本書の刊行が、私たちの暮らしている場所=北海道とそれぞれの地域が持っている可能性を、より具体的に見つめなおすきっかけになれば本望です。

目次

Ⅰ.明治のお菓子
五勝手屋羊羹(明治初期・江差)/酒まんぢう(明治13年・小樽)/えべつまんじゅう(明治18年・江別)/丸井榮餅(明治33年・函館)/煉化もち(明治34年・江別)/旭豆(明治35年・旭川)/トンネル餅(明治37年・共和)/大沼だんご(明治38年・七飯)/バナナ饅頭(明治38年・池田)/三色だんご(明治38年・函館)/月寒あんぱん(明治39年・札幌)/柳もち(明治39年・札幌)/澤の露(明治44年・小樽)

II.大正のお菓子
ウロコダンゴ(大正2年・深川)/湯の香ひょうたん飴(大正3年・登別)/大甞飴(大正4年・栗山)/バターせんべい(大正8年・札幌市)/ビタミンカステーラ(大正10年・旭川)/日本一きびだんご(大正12年・栗山)/フルヤミルクキャラメル(大正14年・札幌)/どらやき(大正後期・函館)

III.昭和前期(戦前)のお菓子
金時羊羹(昭和初期・羽幌)/ハッカ豆(昭和初期・北見)/山親爺(昭和5年・札幌)/栗まんじゅう(昭和6年・栗山)/塊炭飴(昭和7年・赤平)/壺もなか(昭和8年・旭川)/薄荷羊羹(昭和10年・北見)/花園だんご(昭和11年・小樽)/炭礦飴(昭和13年・赤平)/美園アイスモナカ(昭和10年代・小樽)

IV.昭和中期(戦後)のお菓子
辨慶力餅(昭和24年・函館)/バナナ焼(昭和26年・旭川)/とうまん(昭和27年・札幌)/バンビミルクキャラメル(昭和27年・小樽)/雪太郎(昭和28年・札幌)/よいとまけ(昭和28年・苫小牧)/天狗まんじゅう(昭和29年・岩見沢)/うにせんべい(昭和20年代後半・室蘭)/しおA字フライビスケット(昭和30年・札幌)/高橋まんじゅう屋の大判焼き(昭和32年・帯広)/ハッカ飴(昭和33年・北見)/おやきの平中(昭和33年・札幌)/クリームぜんざい(昭和35年・小樽)/梅屋のシュークリーム(昭和39年・旭川)/ほっちゃれ(昭和30年代後半・北見)

V.昭和後期(成長期)のお菓子
オランダせんべい(昭和40年代前半・根室)/やきだんご(昭和41年・函館)/天狗堂宝船のきびだんご(昭和43年・函館)/ホワイトチョコレート(昭和43年・帯広)/三方六(昭和43年・帯広)/にしんパイ(昭和44年・留萌)/ホワイトごま餅(昭和46年・札幌)/沖縄まんじゅう(昭和47年・札幌)/白い恋人(昭和51年・札幌)/草太郎(昭和53年・室蘭)/大黒屋の温泉まんじゅう(昭和55年・札幌)/元祖みそまんじゅう(昭和57年・留寿都)

北のお菓子夜話
  其の壱◇北海道は駅生王国だった!
  其の弐◇きびだんご三国志
  其の参◇変幻自在のバラエティ羊羹
  其の肆◇例えばこんな最中旅
  其の伍◇大黒屋菓子舗札幌製菓所の遺伝子

〈コラム〉三時のおやつ●お菓子の歌が聞こえてくるよ―記憶に残る「お菓子CMソング」

【巻末特別付録】ぱんぢう大変―ぱんじゅうを巡る冒険

著者紹介

塚田敏信(つかだ・としのぶ)
 1950年赤平市生まれ、北海道大学法学部卒。札幌篠路高校教諭等を経て現在札幌大谷学園講師。まち文化研究所主宰および銭湯倶楽部代表として、各地でまち文化講座を開催している。著書に『いらっしゃい北の銭湯』(北海道新聞社)、『小樽の建築探訪』『むらの生活―北海道から富山へ』(共著・北海道新聞社)、『伊達市史』『本別町生活文化史』(共著)ほか。現在、朝日新聞夕刊で「まち歩きのススメ」を連載中。