2011年春、北海道四季劇場が誕生!

 

ミュージカルキャッツは革命だった

梅津齊(うめつ・ひとし)/著

本体1,500円+税
四六判ソフトカバー
320ページ
ISBN 978-4-900541-89-4 C0095

知られざる劇団四季の草創期から現在までを
自らの体験を通してつづるノンフィクション

  • 2011年春、北海道四季劇場がグランドオープンへ。その半世紀前、北海道学芸大(現・北海道教育大)を卒業した道産子の著者は、当時新進劇団だった「劇団四季」に演出志望で入団。悪戦苦闘の日々がはじまる―。
  • 知られざる四季草創期の息吹から、現在の革新的スタイルを確立するまでを、自らの半生と重ねながらつづるノンフィクションが誕生。さらに、代表の浅利慶太氏をはじめ、市村正親、三田和代、加賀まりこらとの出会いも、読みどころのひとつです。

あとがきより

 平成23年で初演から29年目の『キャッツ』は、今日も独得な媚態で客席を魅了し、全国10ヶ所の拠点劇場とそのほかの劇場では多彩な名作が興奮と喝采に包まれている。世界一の演劇工房、四季芸術センターが生み出す作品群は、革命的キャッツによって切り拓かれた「荒地」を丁寧に耕し、豊穣の地平となすため、日夜研鑽を惜しまない。そういう四季に、私自身の見果てぬ夢を託している。
(「エピローグ」より)

目次

◇プロローグ

◇第1章 挑 戦
 絶体絶命/演劇生活/恵比寿の稽古場/四季の理念と実践/「四季」の名

◇第2章 理 念
 『エレクトル』雑記/創立十周年記念公演/「演劇の回復のために」/小澤征爾N響事件

◇第3章 波 紋
 日生劇場の波紋/『十字架への献身』顛末の記/『リチャード三世』異聞/さらば恵比寿の稽古場

◇第4章 始 動
 『はだかの王様』/再び『はだかの王様』/寺山修司―遁走の仕掛け/ラシーヌ劇『イフィジェニイ』/ああ『ジークフリート』

◇第5章 飛 躍
 劇団四季の転機と挑戦/『白痴』海峡を渡る/長野、そして四季山荘へ/全国公演の本格始動/中・小劇団の反発

◇第6章 間 奏
 ロックミュージカル『フィガロの結婚』始末/『オンディーヌ』/加賀まりこ、あるいは私の『間奏曲』/ミカとイチ

◇第7章 革 命
 わがシェイクスピア/越路吹雪ドラマチックリサイタルより「サイラの神」、そして『キャッツ』へ/革命猫"キャッツ"

◇エピローグ

著者プロフィール

梅津齊(うめつ・ひとし)
 1936年、稚内市生まれ。北海道学芸大学(札幌、現・北海道教育大学札幌校)卒。熊本大学大学院日本文学研究科修士課程修了。1962年、劇団四季入団、浅利慶太氏に師事。1985年、札幌市教育委員会・札幌市教育文化財団の共同事業による演劇研究所『教文演劇セミナー』を設立、演出兼事務局次長を務める。現在、学校法人熊本壺渓塾学園非常勤講師、熊本学園大学非常勤講師。主な演出作品は、『トロイアの女たち』(エウリピデス、脚色=J・P・サルトル)、『オセロー』(シェイクスピア)、『誤解』(A・カミュ)、『宮城野』(矢代静一)、『写楽はどこへ行った』(大岡信)、『サド侯爵夫人』(三島由紀夫)、『犬神』(寺山修司)、『ロミオと食卓のある風景』(如月小春)。著者に評論『断章 三島由紀夫』(碧天社)がある。